エクセルの「マクロ」は必要か?
当ウェブサイトでは「エクセルの達人」にふさわしい「高度なエクセルテクニック」をいくつか紹介していくつもりだが、こうしたなか、ニューズサイトに「マクロが大好きな人物」が執筆したと思しき記事を発見した。「マクロを使って業務効率化を」と唱える方らしいのだが、はたしてどう読むべきか。
エクセルを使用していると、どうしてもマクロを使わなければならないのではないか、と思う方も多いだろう。
当ウェブサイトは「エクセルの達人技」を精力的に紹介していきたいと考えているが、じつは、マクロ・VBA等については、あまり紹介するつもりはない。
なぜか。
それは、マクロ、VBAを知らなくても「達人」になることができるからである。
もちろん、マクロを知っていたら、便利であることは多々あるだろう。エクセルで頑張って延々何時間も仕事をしていることを、うまくマクロを活用すれば、それこそ10秒で終わることもあることは間違いない。
ただ、それと同時に気を付けなければならないのは、「属人化したマクロお化け」を作ってしまうと、それ自体が業務の円滑な推進の妨げになりかねない、という点だ。
こうした観点から、少し気になる記事を発見した。
「エクセル仕事」を見れば「ただ真面目」か「優秀」なのかがわかる理由
―――2021/8/20 6:01付 Yahoo!ニュースより【DIAMOND online配信】
『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』という書籍を執筆された人物へのインタビュー記事らしい。詳しい内容は実際に読んでいただきたいのだが、本稿ではリンク先のYahoo!ニュースの記事についていたコメントの要旨を2つ紹介しておきたい。
- マクロなど、誰でも自動化できるツールが生産性向上につながることは否定しないが、システム管理の立場からは、「素人が引き継ぎも考えず属人的なシステムを作ってしまうこと」は迷惑極まりない。本人が異動・退職でいなくなったあと、メンテナンスできる人がいないからだ
- マクロは確かに便利だし、単純作業の効率化に非常に向いているという面はあるだろう。しかし、少しかじった程度の知識の人が、自分自身にやりやすいように「良かれ」と思って作ったファイルは、関数も含めて引き継げないことが多い
…。
基本的には、同感だ。
要するに、「エクセルお化け」、「マクロお化け」を作ると、のちのち、現場に大きな負担が掛かる、ということだ。
当ウェブサイトの持論だが、エクセルは関数が基本であり、また、わざわざマクロを使わなくても、関数をひとつずつ理解して使えば、誰にでも「高度な仕事」はできるようになると考えている。
当ウェブサイトでも基本的にマクロをほとんど扱わず、エクセル関数を中心に紹介していきたいと考えている大きな理由は、まさにこの「ブラックボックス化」を防ぐためにあるのである。