まずビジネス現場から「エクセル方眼紙」を追放しよう
本稿では、エクセルビジネスマンの悩みを少しだけ開示してみる。それは、「エクセル方眼紙」という罪深き存在だ。いったい何が問題なのか。
当ウェブサイトは、「実務の世界におけるエクセルの達人技」を紹介することに主眼を置いている。
ポイントは、「実務」だ。
企業や役所の実務の現場では、「集計表や日報を作る」、「複数のデータを一気に集計する」、「膨大なデータから規則性を見出して加工する」など、さまざまな仕事をしなければならない。そして、こうした「実務の世界では当然に必要とされるスキル」ほど、意外と教科書には載っていないものである。
こうしたなか、本稿では他サイトにも掲載したことがある「エクセル方眼紙問題」を紹介しておきたい。
「エクセル方眼紙」自体、作り方はとても簡単だ。
①新規シートを立ち上げて「Ctrl+A」ですべてを選択し(図表1)、②セルの幅や高さをそろえる(図表2)。完成だ(図表3)。
図表1 Ctrl+A
図表2 セルの幅や高さを揃える
図表3 エクセル方眼紙の完成
このような方眼紙を使えば、こんなおバカなフォーマットを作ることも可能である(図表4)。
図表4 こんなおバカなフォーマット
いかがだろうか。
「セルの結合」、「罫線」などの機能をフルに使って製作された、この一見すると見栄えがよさそうにも見える「エクセル方眼紙」こそが、じつはビジネスの大敵だ。
入力する側、集計する側いずれにとっても、アンフレンドリーだからだ。
それともなんだろうか、この手のおバカなフォーマットを作っている者は、まさかとは思うが紙に印刷し、手書きで日報を作成させているつもりだろうか。そして、その紙を、ご丁寧なことにキングジムかなにかに綴じ込んでいるのだろうか。
おバカな冗談は、よしていただきたい。
(※なお、キングジムに対し悪意はないのでご注意されたい。本稿で問題視しているのは、「仕事のやり方」である。)
この方眼紙に対し、一番言いたいのは、次のヒトコトだ。
「セ ル を 結 合 す る な !」
いずれにせよ、こんなフォーマットを使っている会社は、早晩、行き詰る。
さきほどの営業日報は、こんな具合に変更してはどうだろうか(図表5)。
図表5 こんな具合
ちなみにA、D、E、F列はAlt→D→Lで「データの入力規則」を呼び出し、最初から日本語入力(M)をオンにしておき(図表6)、同じくB列、C列は日本語入力をオフにしてけばよい。なぜなら、A列には人名、B列には日付、C列には時間、D~F列には文章が入ることが確定しているからだ。
図表6 日本語入力のオン・オフ
さらにいえば、B列は書式設定で yyyy/mm/dd aaa と指定しておけば、日付を入れれば自動で曜日まで入る(図表7)。
図表7 曜日をaaaで指定する
この書式設定については、『日付から曜日を抽出する:「地味に役立つ」テクニック』や『日付をさまざまな値に変換する「TEXT関数」の威力』でも触れたとおりである。
いずれにせよ、業務を効率化するには、まずは組織における意識改革から、というわけである。